経理コラム

【電卓の選び方】経理のプロおすすめ3選!業務を支える愛用ツールとは

日々数字と向き合う経理パーソンなら、必須の道具「電卓」。ツールと呼ぶにはあまりに身近で、マストなその存在は「相棒」とも言えますね。

素早く正確に計算をこなしてくれれば、どんな電卓を使っても同じ…と考えている方も少なくないのでは?それは大きな誤解です。多くの数字を正確に扱わなくてはならない経理・会計シーンだからこそ、キーの配置や機能、叩いた感触は思いのほか大切です。この記事では、電卓の種類・選び方を解説し、公認会計士である代表3名に愛用電卓を紹介してもらいます。

この記事はこんな人におすすめ!

  • ・入社や異動で経理に携わることになった人
  • ・士業を目指し勉強をしている人
  • ・電卓を新調しようとしている人

実は様々!電卓の種類

 

普通電卓

一般的な電卓のことを指します。特殊な機能はない、シンプルなものです。四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)や百分率などの基礎的な計算が可能です。価格もお手頃で、近頃は数百円から手に入るものも多いですね。簿記3級に向けて勉強される方であれば、この電卓でも十分です。

実務電卓

経理用に作られた電卓です。大きい数字が扱えるように、12桁を表示でき、キーも「00」や「000」が搭載されています。他にも、原価、売価、粗利率など、便利な機能キーが備わっており、かんたんに経理上の計算が可能。まさに、実務上の計算をするためのものです。簿記2級以上、経理実務に携わる方はこちらがオススメです。

関数電卓

関数電卓は普通電卓よりも高性能です。工業系の分野で便利な機能が搭載されており、√(ルート)やπ(パイ)を使用した計算が可能。Excelのような表計算や、グラフ表示ができるものもあります。建築・設計などの仕事でよく使われる電卓です。

現在発売されている代表的な電卓は以上3タイプです。
ほかにも、金利の計算が簡単にできる「金融電卓」、印刷できる機能を備えた「プリンタ電卓」など、実に様々な電卓が存在します。

電卓選びのポイント6点

 

簿記の大切な相棒である電卓。どんな機能を持っていると便利でしょうか。ここでは、メインの機能を解説し、電卓選びで重視するポイントを見ていきましょう。

サイズ

小型から大型まで様々な大きさのモデルがあります。小さすぎると入力しにくく、大きすぎると卓上でスペースを取られてしまいます。簿記・経理で使用するならおすすめは手のひらサイズ。まずは手のひらサイズを手に取り、叩くところをイメージしましょう。そこから、しっくりくるものを選びます。
同時に要チェックなのが、滑り止めが付いているか。電卓は慣れてくるとキーを叩くスピードが上がります。裏側の滑り止めゴムは意外と重要な存在です。

キーの押しやすさ

使い心地において重要なポイントです。
キーの大きさ、キー同士の間隔はメーカーや製品ごとに異なります。タイプミスにつながってしまうので、指の大きさに合ったものをチョイスしましょう。良く使う指よりも一回り大きい程度のキーを備えたものがおすすめです。
また、叩いた時の沈み込む感覚がハッキリしているか、心地よいかをこだわる人も。

桁数

大きな桁の数字を扱う簿記は、表示桁数が少ない電卓では対応できないことも。最低でも10桁以上表示される電卓が必要です。簿記で適した表示桁数は12桁(千億)と言われています。桁数が多くなると表示文字も小さくなってしまうため、見やすい大きさかも同時にチェックしましょう。

税率表示

税率ボタンがあると、税込価格と税抜価格がボタンを押すだけで算出できます。税率を変更できる機種を選ぶと、税率の改正にも対応できます。減税率の導入で消費税10%と8%が一緒になった計算をする機会が増えているので、2種類の税率計算ができる電卓だと、より便利でしょう。

GT(グランドトータル)

複数の計算結果の合計値を算出できる機能です。人件費、材料費、と言った複数の項目をそれぞれ出した後に、合計を出すことが可能。入力し直す必要がなく、効率的に計算を進められます。
この機能が搭載されていない場合はメモリ機能での代用もできるので、併せてチェックしましょう。

その他

この他にも入力を補助するあらゆる機能が存在します。
アンサーチェック機能があれば、計算ミスや入力ミスに気付くことができます。パートやアルバイトの給与の計算には、日数計算、時間計算ができる電卓が便利です。自分の見やすい角度にディスプレイを調整できる、チルトディスプレイ機能もおすすめです。

ただし、あまりに高機能な電卓では、簿記検定試験に持ち込み不可の場合も。関数電卓、プログラム電卓、金融電卓…といった類の製品です。本記事で紹介している範囲であれば問題ないのですが、検定協会のホームページを見てから購入決定するのが無難です。

信頼と実績のメーカー

色々な種類がある電卓ですが、代表的なメーカーは、カシオ、シャープ、キヤノンの3社。このうち、経理パーソンはカシオとシャープを使う人が多いといわれています。普段から会計や財務などの業務で電卓を使い倒している人だからこそ、愛着を持つ理由があるはず。

次の章では、タクセルの代表3名におすすめの機種を聞いてみましょう!

何派?簿記歴20年超 公認会計士3名のおすすめ電卓

 

タクセルの代表3名は公認会計士で、経理や簿記に携わった歴は20年超え!どの機種を愛用し、どんなポイントが気に入っているのか聞いてみましょう。

松本
松本
まず、電卓の話になると以下のように意見が分かれます。派閥ですね。笑

右手派 VS 左手派

  • ・資格試験スタートの人は左手派が多い(書きながら電卓を叩くため)
  • ・実務スタートの人は右手派が多い(伝票をめくるため)

シャープ派 VS カシオ派

  • ・シャープ:1の下に0、2の下に00がある
  • ・カシオ:1の下に00、もうひとつ左に0がある

プロの間では既に議論がなされているようですね。
では、早速おすすめをひとりずつ紹介いたします。

①SHARP ELSI MATE

 

堀江
堀江
僕はこの電卓が一番だと思っています!
堀江:公認会計士
長年 事業再生のコンサルティングを経験。事業計画策定、銀行との折衝、会社側履行のモニタリングまで一貫対応。客側に寄り添い伴走するスタイルが特長。

SHARP ELSI MATE 学校用電卓 EL-G35

出典:amazon

0の位置が良いんですよね。絶妙な色合いで、長く使いたくなるのもポイントが高い。
衝撃吸収ラバーがあるので丈夫で、長く持っています。
これ、今でも販売しているのかな?昔からあるタイプです。かなりロングセラーですね。
※シャープ公式ページでの販売は確認できず、amazon上には製品を確認しました。

②SHARP SHARP EL-VN82

 

松本
松本
僕はシャープ派で、右手派です。
松本:公認会計士
CFOとして中小企業の成長フェーズを経験。マネジメントや組織の変化対応を中心にIT、人事、総務を含めた管理部門の業務を網羅。海外赴任や海外子会社の設立も経験し語学堪能。

SHARP SHARP EL-VN82

出典:SHARP

これがおすすめです!
カラーバリエーション推しで買ったのですが、変に分厚くなくて使いやすい。シンプルです。いろいろ機能が付いてると資格試験で使えないおそれもありますしね。
受験生の時ほど電卓に神経質じゃないので、デザイン重視というのもあります。ちなみに、受験生の時はTACの受付で売っているものを使っていました。

SHARP ELSI MATE 学校用電卓 EL-G36

出典:SHARP

③唯一のCASIO派

 

松村
松村
あれ?カシオ派は僕だけでしょうか?笑
松村:公認会計士
経理部門の構築・マネジメント・実務を経験。ソフトの導入、運用の設計や効率化などの体制構築など0→1フェーズが得意。リモート・ペーパーレス導入等のIT課題も扱う。

CASIO 本格実務電卓シリーズ

出典:CASIO

簿記の勉強をする人で、左打ちするならSHARPよりおすすめです。ゼロとゼロゼロが並んでいるので、速く入力できるんですよね。でも、小指を使って入力する前提なので、使えない人は向いてないかもしれません。

まとめ

 

電卓の種類と選び方について解説しました。まずは自身の用途から欲しい機能を検討することが大切ですね。学習・実務が進めば進むほど頼りになる相棒。あなたに合った1台をチョイスして、快適な学習・就業環境を整えましょう!

 

この記事の著者

橋尾 日登美

人事/広報/ライター

1987年10月生まれ、東京都出身。アパレルブランド「ISSEY MIYAKE」にて販売を経験した後、ベンチャー畑で人事・広報の領域で数社従事。デジタルハリウッド校の立ち上げや運営に携わり、今もキャリアセンターに在職。2020年、株式会社キャスターにジョインしたタイミングからフルリモートワーカーに。現在は人事/広報/ライターとして業務委託でタクセルに参画。

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