経理入門|収入印紙の勘定科目は?管理方法や貼付が不要なケースも解説!
収入印紙について調べていると「印紙税法」という言葉も出てきて難しそう、と思う方も多いかもしれません。今回は収入印紙の正しい勘定科目や購入方法、管理方法から不要なケースまで徹底解説します。この記事を読むと、安心して収入印紙を取り扱えるようになりますよ。
- ・収入印紙には税金が関係するため適切な勘定科目で処理したい
- ・担当者になったので収入印紙を管理する方法を知りたい
- ・収入印紙の節約方法を知りたい
初めての方でも分かりやすいように説明しますので、最後までご覧ください!
目次
収入印紙とは
収入印紙とは、印紙税のほか公共料金や手数料などの支払い証明として使用される、切手のような紙片のことです。具体的には、書類に貼り付けて消印することで支払いを済ませたことの証明になります。
一般的には、契約書や領収書などに収入印紙を貼り付けて使用するケースが多いでしょう。貼り付ける収入印紙の金額は、契約書や領収書の金額により異なります。たとえば領収書であれば、以下のとおりです。
1円から10万円まで31種類の形式があり、郵便局やコンビニエンスストアなど身近な場所で購入できます。必要な金額にちょうどいい収入印紙がなくても、切手のように複数枚を組み合わせて使用することが可能です。
収入印紙の勘定科目
収入印紙を購入したときは「租税公課」、保管時は「貯蔵品」で仕訳します。
購入したときは「租税公課」
収入印紙を購入したときは「租税公課」に計上するのが一般的です。これは収入印紙が、印紙税を納付するために使用されることが理由です。収入印紙は未使用でも払い戻せませんので、使用する機会があまりない場合は、必要な分だけ購入することをおすすめします。
保管しておく場合は「貯蔵品」
使用していない収入印紙を保管する場合は「貯蔵品」に計上します。貯蔵品とは、将来的に使用される可能性がある資産や材料のこと。具体的には「租税公課」で購入した印紙を、決算時に「貯蔵品」へ振り替えるのが一般的です。翌期に収入印紙を使える状態に戻すためには、再度「貯蔵品」から「租税公課」に振り替える必要があります。
収入印紙の購入方法
郵便局や役所、法務局で購入するのがおすすめです。基本的に全31種類の収入印紙を購入できますし、特に郵便局なら全国に拠点があり便利です。ただし郵便局の規模によっては、限られた種類の印紙しかなかったり在庫が少ない可能性も。事前に電話などで、取り扱っている収入印紙を確認してから買いに行きましょう。
また、コンビニエンスストアで購入できます。平日の日中以外でもいつでも購入でき便利ですが、200円の収入印紙しか取り扱っていないことがほとんどです。注意しましょう。余裕があるときに郵便局や役所などで購入しておき、緊急で必要になった場合はコンビニを利用するなど、使い分けるのがおすすめです。
収入印紙の管理方法
収入印紙の管理方法は、払い出し担当者を決めて金庫で保管し、収入印紙帳簿を用いて管理するのがおすすめです。
というのも、収入印紙は納税を証明でき、現金と同じ価値を持っているためです。収入印紙は金庫に入れて保管し、不特定多数の社員が触れないようにしましょう。また、収入印紙を取り扱う担当者を決めて、必要な場合に申請して受け取る体制にするのが良いでしょう。在庫管理はもちろん、補充や払い出しを帳簿で管理することで、棚卸の際の在庫確認が効率的にできます。収入印紙には、管理のわずらわしさや不正リスクが付きものです。大量の収入印紙を取り扱う場合は、税務署長の承認を受けて別途支払うこともできます。
収入印紙が不要なケース
収入印紙が必要な金額の書類でも、クレジット利用の領収書や電子的にやり取りした契約書には収入印紙が不要です。詳しく解説します。
クレジット利用の領収書
5万円以上の領収書であれば収入印紙が必要ですが、クレジットカードで買い物をした場合は収入印紙の貼り付けが不要です。
印紙税法により、収入印紙が必要な領収書の定義は「金銭又は有価証券の受領事実を証明するもの」とされています。しかしクレジット利用の場合は信用取引により商品の引き渡しが行われ、金銭などのやり取りはありません。そのため、クレジット利用の領収書には収入印紙は不要になります。ただしクレジット利用の領収書でも、クレジット利用であることが書かれていないと、収入印紙が必要です。
電子契約
メールで電子的に契約書を送る際は、紙媒体での契約締結と異なり収入印紙を使わなくても問題ありません。というのも、契約書における課税義務は「課税文書を交付したとき」とされていますが、メールで送ることは「交付にはあたらない」とされているためです。
これは国税庁の公式ホームページの文書回答事例にも記載されています。ただしメールで送った後に現物を郵送するなどの場合は、収入印紙が必要ですので注意しましょう。
収入印紙のよくある質問
収入印紙に関する、よくある質問を紹介します。公認会計士のタクセル代表が回答!理解を深めましょう。
Q:5万円ちょうどの領収書に収入印紙は必要ですか?
ちなみに、課税金額が上がる金額は「100万円を超え200万円以下:400円」です。つまり、100万1円の領収書には400円の収入印紙が必要になりますね。
課税金額は、基本的に税抜金額で決まります。たとえば「受領金額50,000円」とだけ書かれた領収書だと、税額が明確でないため税抜金額が5万円に満たなくても課税対象となる場合も。注意が必要です。
Q:収入印紙を貼り忘れたらどうなるのでしょうか?
ただし、気付いた時点で所轄税務署に貼り忘れを申告すれば、過怠税は1.1倍で済みます。万が一貼り忘れが判明した場合は、速やかに税務署に相談しましょう。
Q:収入印紙を貼らない契約書は無効なのでしょうか?
ただし印紙税法の違反に該当します。本来支払うべき金額の3倍に相当する過怠税を払う義務が発生します。
まとめ
今回の内容を簡単にまとめると、以下のとおりです。
- ・勘定科目は「購入時:租税公課」「保管時:貯蔵品」
- ・余裕がある時に郵便局などで買っておくと便利
- ・収入印紙が不要なケースはクレジット利用と電子契約の場合
収入印紙は印紙税法も関係するため、適切な勘定科目で処理したいと思っている方も多いと思います。
収入印紙に限らず、適切な勘定科目や日々の仕訳、スムーズな決算処理など経理周りのお悩みがあれば、ぜひ一度リモート経理部にお問い合わせください!
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