簿記を真に理解するには〇〇目線がマスト|簿記が「使える」ようになる経理ブログVol.1
代表の松本・松村が運営するYouTubeチャンネル『まつぼライフ』。経理・会計・簿記について分かりやすく解説し、気の合う仲間を募るチャンネルです。
チャンネル内で配信している「使える簿記シリーズ」は、簿記の基礎から、本質的に理解することで生きた知識を得られる動画。この記事では、本サイト用にさらに分かりやすくアレンジ。「簿記が「使える」ようになる経理ブログ」シリーズとしてお届けします!
第1回目の今回は「そもそも簿記とは?」という根本部分を理解することがゴールです。
と、言われても、経理に必要な資格でしょ?と思った方、間違ってはいませんが、それでは少々もったいない。この本質を理解することで、日々の経理業務がレベルアップしたり、学習効果が各段に上がるなどが期待できます。
簿記って、なんのために、誰がどうやって使うためにあるの?
会社の経理業務のためじゃないの?と思った方、いらっしゃいますね。
おや、松本さん。解説、お願いしますね。
本シリーズがおすすめの方
- ・簿記3級を受けたい、受けたけどうまく使えていない…
- ・経理の仕事をしているけどイマイチうまく掴めていない
あら、松村さん。期待しています。
もったいない!大半の人は簿記を使い切れていない
簿記は経理業務に必要な資格・スキル…そう思っている方が大半だと思います。それも間違いではありませんが…
実は、簿記はもっと「使える」学問なのです。
「使える」ようになるには、本質を理解することが重要です。逆に、真の理解をしていないと、ただ仕訳を切れる、決算書をつくる…というだけの人になってしまいます。
ですが、一般的なテキストには「本質部分」は載っていません。その大事な視点とは…
もちろん仕訳を切れることは重要ですが、根本的な部分を理解してるか否かで、大きな差が出ます!
まず「簿記とは」その役割と本質を真に理解しよう
本質の解説の前に頭に入れておきたいのが、企業の運営資金と、その周りの登場人物についてです。
企業が事業拡大を目指すとき、自己資金では不足する場合、外部から資金調達を行います。資金調達の方法は大きく2種。投資家からの出資、銀行等の金融機関からの融資です。
主流になるのが前者2つ。つまり投資家は、企業が運営していくうえで欠かせない重要人物、いわばスポンサーなのです。
そして、この「投資家」が簿記の本質を語るうえで欠かせない存在です。
なぜなら…
簿記は、『投資家に報告するための決算書をつくる』というのが、ひとつのゴールであり
決算書は、経営者が投資家に報告するための手紙だから
です!
投資家は、決算書を見て以下のようなことを判断します。
- ・投資をする/しない
- ・投資額を増やす/減らす
- ・株を売る/買う
決算書は、重要な判断材料というわけですね。
経理の仕事(簿記の勉強)の中では、作っている本人も決算書を作り、読みます。ですが実際に決算書を使い、読み解くのは「投資家」とその周りの立場の人々。
この「誰がこの資料を使い、読むのか」という部分を理解することこそが最重要ポイントなのです。
「誰が読むのか分からないのに手紙を書いている」
と、同じことになってしまいます!
そんなお手紙をもらっても、真剣に読み、喜んでもらうことは難しいですよね。
投資家の目的は「お金を預けて増やしてもらう」こと。
経営者は「お金を預かって増やす人」です。
この二者間で報告やお願いなどのやり取りを、決算書を通してしている、という事になります。
では、その決算書の書き方や書式が各社バラバラだと、どうなるでしょうか。投資家が企業を見比べるのが難しくなってしまいます。そのため、フォーマット・ルールは共通のものが決まっています。そのルールを学んで、決算書を作れるようになるのが簿記の勉強と言えます。
「そういうことやったん!!」と、
簿記の本質にたどり着きました。3級の時にそれに気付けていたら…と思っています。
でも、この根本・前提を知っていると簿記の理解スピードが大きく変わると思います。
ここまで読めばOK!投資家の気持ちになって考えよう
これを読んでいる皆さん、想像してください。いまは、大航海時代です。
大航海時代!?海に出て宝物を探したりする、あの!?…冒険とワクワクの時代ですね。
~~大航海時代気分で読んでください~~
時は大航海時代、皆さんはお金持ちです。
ですが、お金を更に増やしたいと思っています。この時代、財を築き増やすには、冒険に出て稼いでくるのがセオリーですが、危険を冒したいわけではありません。
そこで、冒険に行く勇敢な人たちにお金を預けます。冒険資金として提供するわけですね。その代わりに、最終的には、渡した状態よりも増やして返してね。これが、投資です。
そして、冒険者たちが帰ってくると、旅は大成功!渡していたお金が増えました!嬉しいですね。
ここで出てくるのが、以下の疑問です。経理で扱う書類との関係性と一緒に見ていきましょう。
いくらに増えたんですか?
→これが書いてあるのが、BS(貸借対照表)
どうやって増えたんですか?内訳は?
→これが書いてあるのが、PL(損益計算書)
いかがでしょうか?この目線で考えると、決算書・BS・PLの役割や意味がイメージしやすくなりますよね。
まとめ
簿記の知識は持っているものの、きちんと使えてない人がたくさんいます。それは本質的な部分を理解できていないから。つまり、投資家目線を持っていないからです。
今日の記事では、簿記の基本である「決算書」を、誰が見て・どう使うのかを理解していただきました。
次回は、
- ・BS(貸借対照表)で、純資産をどう見ているか
- ・PL(損益計算書)で、人件費、家賃などをどう見ているか
個別論点毎に解説します!お楽しみに!
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