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デキる経理担当は倒産を防ぐ!?経営者を支える資金繰りの基礎

資金繰りは、安定した会社の経営にとても重要な要素です。資金の流れが管理できていないと、帳簿上では黒字でも倒産してしまう…という恐ろしい危機に陥ることも。

だからこそ、日々の入出金を経営目線で把握できる経理担当者はとても貴重。強い人材として重宝されます。経理パーソンとして成長し、視座を高めたいあなたに向けて、経理担当目線で資金繰りについて解説します。基礎から理解しましょう!

この記事はこんな人にオススメ!

・生き残れる経理パーソンになりたい
・資金繰りの基礎について理解したい
・資金繰りにおいて、経理担当がどんなことをすべきか知りたい
・経理担当者に資金繰りについて知って欲しい社長や上司の方

資金繰りとは?キャッシュフローとの違い

まず、資金とは何かから把握しましょう。

資金:すぐに支払いに利用できるもの。貸付金・売掛金などは、すぐに利用できないため該当しない。

これが資金です。貸付金・売掛金などは資産に該当します。

次に、「資金繰り」は資金の流れの管理のことです会社の収入と支出を管理して、収支の過不足を調整することを指します。適切な管理ができていないとこんな事態に。

・支払いがあるのに、手元にすぐに使える資金がない…
・売上金の回収が遅れてしまい、資金が枯渇している…

 

資金繰りと混同されがちなのが、キャッシュフロー。

どちらもお金の流れを把握する、という点では共通ですが、全く異なった目的のものです。資金繰りは、未来のお金の流れを把握することなのに対し、キャッシュフローはすでに生じたお金の動きをあらわすものです。

資金繰りまとめ

キャッシュフロー:過去、すでに発生したお金の流れ
目的:経営課題の分析や改善策の打ち出しなどに活かす

資金繰り:未来、これからの資金の流れを把握するもの
目的:資金が不足し会社の存続に影響することのないよう管理する

資金繰りの重要性

悪化すると恐ろしいことに

資金は会社にとっての血液です。流れが止まると生き続けることができません。

たとえ計算上では黒字で多くの利益が上がっていたとしても、手元の資金がなくなればそれまでです。売上回収の遅れ、取引先や給与の支払い…最悪の場合倒産の危機に直面します。

経理パーソンが身に着けるべきスキル

このように、資金繰りは企業にとっての命綱。経理にとって重要な業務のひとつです。が、実際は、経理担当者がこの肝を掴み管理に貢献しているケースは稀。経営情報に近いポジションながら、それを活かせていないと言えます。

だからこそこの感覚を掴んでいると、キャリアに大きくプラスです。生き残れる人材になれると言えるでしょう。次の章では、経理担当が掴んでおくべき情報と感覚を解説します。

経理担当が気を付けるべきこと

経理担当者の立場から資金繰りに貢献するには、どんなことに気を付ければ良いでしょうか?日頃お金の流れに一番触れているからこそ、できることがあります。

手元資金の把握

資金状況の予測にはまず現状を正しく理解することが必要です。そこではじめて数か月先を見通し、計画を立てることができるようになります。

実は、経営者が資金状況を把握できていないケースは少なくありません。経理や税理士に丸投げ…この状態が一番危険です。いつでも残金が把握できる体制を構築しましょう。

資金繰り表を作成する

資金繰り表は、収入と支出を表している管理帳票のことを指します。円滑な資金繰りのために作成します。これがあると、資金の不足するタイミングを事前に把握し、備えることができます。円滑な経営をサポートできる重要な経営判断材料です。

当面の資金繰りを円滑にするだけでなく、財務体質の強化など、長期的にもメリットがあります。

資金繰り分析

作成した資金繰り表を活用して、経営上のさまざまな問題点を読み取りましょう。ここでは代表的なチェックポイントを挙げます。経理情報に詳しくない状態でも、肝をおさえて情報を読み取ることで徐々に理解を深めましょう。

経常収支

「経常収支」がマイナス、かつ、損益計算書が黒字

この状態は資金繰りに問題があることをあらわしています。支払サイトや手形を見直すなど、改善が必要な状態です。

翌月繰越

3ヶ月後の「翌月繰越」がマイナスになっていないか

ここがマイナスの場合、資金ショートが発生する可能性が高いです。売掛金の回収を急ぐなどの提案をしてみましょう。

財務収支

「財務収支」のマイナス額が経常収支を上回っていないか

この状態が続くと、手元資金が次第に減ることを指しています。経常収支の改善を図るか、融資スケジュールを見直すなどの施策を講じましょう。借入金の返済をしている段階でマイナスなのであれば、特に大きな問題ではありません。が、会社の存続に関わる項目です。慎重に検討するようにしましょう。

※経常収支…事業の収支(売掛金、買掛金、販管費、給与支払い等からなるもの)

※財務収支…資金調達関連の収支(銀行からの借入金、配当金支払い等からなるもの)

まとめ

資金繰りの重要性をご理解いただけたと思います。意外にも、資金繰りを重視せずうっかり資金ショートの危機に直面する経営者は少なくありません。

日々資金情報に触れている経理担当者がアラートを出してあげましょう。会社の危機を救うだけでなく、自身の人材としての価値を大きく向上することが可能です。

資金繰り分析には正確な情報の集約が必須です。手作業で行うのは膨大な労力がかかります。そこで、会計ソフトの活用財務に強いアドバイザーを頼るなど、効率的に進める方法も。コストはかかりますが、経営状態に直結するもの。まだ把握ができていない企業は即導入を検討しましょう。

タクセルではソフトの導入から、財務状況のコンサルティング・アドバイスまで行っております。気軽なご相談からぜひご連絡ください!

 

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この記事の著者

松村康平

代表取締役

大手監査法人で法定監査、管理業務コンサルを経験。IPO準備会社の経理課長という立場で上場準備、決算、税務、事業計画、予算管理、上場準備、MA対応、会計システム導入、ペーパレス化の推進を担当。

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