小口現金を効率化する3つの方法!メリットと注意点も解説!
小口現金の管理には、毎日の残高確認や入出金作業など多くの時間や労力が必要です。もし小口現金を効率化できたら、空いた時間でほかの事業に注力したり、従業員の残業時間を削減したりできます。
しかし、具体的に何をすればいいかわからず、対策ができていない方も多いかもしれません。
そこで今回は、小口現金を効率化するメリットや3つの方法、注意点を解説します。今すぐできる方法も紹介しますので、効率的な業務運営に向けてぜひ試してみてください。
目次
小口現金とは
「小口現金」とは会社として使用する、日々の経費を支払うための現金を指します。
基本的に会社の現金は銀行に預けていると思います。しかし、ボールペンなどの備品代や切手代といった、細かい支払いのたびに銀行からおろすのは非効率です。必要な時にすぐ支払いができるようにするために、社内で保管しておく一定額の現金が「小口現金」です。
規模が大きい会社だと、各部門に一定額を預けて経理担当が定期的に補充する運用方法もあります。申請すればすぐに使用できるメリットがある反面、出金する担当者や承認する管理者がいないと使用できないデメリットも。ほかにも定期的な残高確認などの作業が必要ですので、できるだけ効率化したい作業のひとつです。
小口現金を効率化するメリット
スムーズに小口現金を効率化するには、経営者がメリットを理解しておく必要があります。具体的な行動をする前に、現金管理にかかっているコストを把握しておきましょう。提出・処理・管理にかかる時間と、関係者の時間単価で把握することができます。
コストを明確にすることで実感できる、効率化のメリットは3つです。詳しく紹介していきます。
1.不正や紛失などのトラブルがなくなる
社内に現金を保管していることは、不正や紛失などのリスクを抱えることに直結します。小口現金に関するトラブルが起こってしまうと、原因を調べたり再発防止策を検討したりするために生産的な活動をストップしなければいけません。
日々管理している担当者も神経を使うもの。「人のお金を扱っている」「絶対に間違ってはいけない」と精神的なストレスを感じる可能性もあります。
2.日々の管理が不要になる
小口現金の管理には、意外と多くの作業を必要としています。
外回りの営業担当者が立て替えてきた領収書を精算したり、日々帳簿と現金残高を確認したりしなければいけません。帳簿と現金残高が合わず、遅くまで残業をして原因を調査した経験がある方も少なくないでしょう。
小口現金を効率化すれば、日々の管理が不要になることに加えて、小口現金を精算するために出社していた社員をリモート勤務にできるなど多くのメリットがあります。
3.月末の残高確認が不要になる
社内に現金があると、担当者が金庫内の現金を数えて、管理者が確認をする作業が発生します。
小口現金を効率化することで、この月末の一連の確認作業が不要になります。残高確認に割いていたリソースをほかの作業に割り振ることもできますし、残業の削減につなげることにもつながります。
小口現金の管理を効率化する方法
具体的な方法は、以下の3つがあります。
- ・Excelで管理する
- ・小口現金を廃止する
- ・管理システムの導入を検討する
順番にみていきましょう。
Excelで管理する
Excelでの管理は、今すぐ始められる手軽な方法のひとつです。管理表に必要な最低限の項目は以下です。
- ・金額
- ・日付
- ・内容
- ・仕訳
- ・残高
Excelの計算式を使えば残高の確認も簡単にできますし、グラフで状況を可視化することも可能です。手書きの小口現金出納帳を使用している場合は、Excel管理から始めてみましょう。
小口現金を廃止する
小口現金を廃止する方法はいくつかありますので、ひとつずつ紹介します。
コーポレートカードを導入する
従業員に現金を立て替えてもらうのではなく、会社名義のコーポレートカードを従業員に渡し、決済はカードに統一する方法です。立替精算も発生しませんし、現金管理も不要になります。
ただし請求書や使用履歴だけでは何に使ったのか不明なケースもあり、意外と経理担当者の管理業務が増えることにつながる可能性も。領収書を出さずに勝手に使用されるリスクもありますので、信用できる一部の人にのみ渡すなど、制限が必要です。
振込で経費精算をする
まずは従業員に立て替えてもらい、経費分の領収書を受け取り、給料と一緒に従業員へ精算・支払いする方法です。
従業員が自身のクレジットカードで立て替えた場合は問題ありませんが、現金の場合は「早く精算してほしい」という要望がある場合も。その際は、経費だけは別で振り込むフローでも良いでしょう。
給与支払いと同じ銀行口座なら、振込手数料がかからないこともありますので確認してみてください。
備品の購入はオンラインを活用する
文房具や来客用のお茶など、店舗から現金で買っているものを、オンラインで購入する方法です。オンラインでの購入なら振込みやクレジットでの精算ができ、現金で支払う機会を減らせます。
今はオンラインで大抵のものは購入できますので、一度探してみてはいかがでしょうか?
管理システムの導入を検討する
小口現金を管理できるシステムの導入も、選択肢のひとつです。できることは管理システムによって異なりますが、以下のようなことができます。
- 事前申請:何をいくらで買うのかを申請
- 承認:管理者が申請内容を確認して承認
- 精算申請:経理担当者が実際の金額を入力
- 振込手続き:精算された振込データから振込
経理担当者は各フェーズで確認するだけになりますので、負担の減少が期待できます。
小口現金の運用を効率化するときの注意点
現在かかっているコストを把握する
まずは経理と経営者が、現金を扱うコストを把握することが重要です。
現場及び経理担当者が現金を扱っている時間×各人の労働単価を経営者に共有しましょう。小口現金を効率化する必要性を、明確に可視化することができます。
その上で、具体的な注意点をみていきましょう。
事前に目的・ルールを周知する
小口現金に関するルールを変更する際は、事前に目的・ルールを担当者に知らせておきましょう。なぜ変更が必要なのかを理解したり、変更後の運用をイメージするためです。このことは、新ルールの浸透率を左右するほど重要です。
管理する経理担当者だけでなく、使用する現場の従業員の理解と協力が必須になります。急に全てのルールを変えることが難しい場合は、段階的にルールを変えることもおすすめです。
領収書の管理を徹底する
小口現金の効率化をすすめると、立替から精算までの期間が伸びるケースがあります。もし従業員が領収書を後でまとめて提出しようとした場合、紛失などにつながる可能性も。また、領収書をもらうのを忘れたことに気付くのが遅くなるリスクもあります。かといって領収書をもらうたびに経理担当に提出しては、逆に効率が悪くなりかねません。
不要なトラブルを生まないためにも、領収書の提出管理・呼びかけを徹底しましょう。
まとめ
今回は小口現金を効率化するメリット、具体的な方法や注意点について解説しました。内容をまとめると以下のとおりです。
- ・小口現金を効率化するとメリットがたくさん
- ・効率化する第一歩はExcel管理
- ・効率化の前には社内周知が重要
具体的な効率化の方法を紹介しましたが、スムーズにすすまないケースもあるかもしれません。経理部だけでなく、全社的な徹底が必要なので、意外と難易度が高めな効率化なのです。
そんな時は、経験豊富な外部の力を借りるのも選択肢の一つにしてみてはいかがでしょうか?小口現金に限らず、業務の仕組化やマニュアル化、業務フローの可視化など経理周りのお悩みがあれば、ぜひ一度お問い合わせください!
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